最終更新日:2011/04/16
対応:GRB/GVB/GRF/GVF
本製品の特徴
(1)フルブースト時のエア漏れ防止等
純正品のブローオフバルブは,エンジンやタービンを保護することを主たる目的としているため,ブローオフバルブが開放される圧力があえて低く設定されています。
そのため,エンジンの性能を十分に発揮できる過給圧まで上げることができず,結果としてパワーダウンやレスポンスの悪化を招いています。
したがって,弊社では,この問題点を解決するため,この過保護なブローオフバルブを社外品(サード社製)に交換し,エンジンの性能が十分に発揮できる適正な過給圧までは,ブローオフバルブを開放させないようにしています。また,純正品のブローオフバルブは一度開放されるとすぐには閉じられないようですので,この問題も併せて解決することで,パワーアップとレスポンスの向上を図っています。
(2)取付位置変更による効率的なエアフローの実現
(1)で示したとおり,純正品のブローオフバルブは,エンジンやタービンを保護することを主目的として設置されているため,性能を重視した配置ではありません。
純正の場合
純正では,ブローオフバルブの取付位置が,インタークーラーとスロットルバルブの間にあり,インタークーラーからスロットルバルブへの導入口のすぐ近くになっています。
純正の状態でアクセルを戻し,スロットルバルブが閉じられると,ブローオフバルブにより,インタークーラーから余剰空気が排出されている状況となり,インタークーラー内の空気は,完全には充填されず,常にタービンの方から空気を吸い込もうとしている状態となります。
この状態から,再度加速しようとして,アクセルを踏み込み,急激にスロットルバルブが開かれると,インタークーラーには十分な空気が充填されていないため,空気は一気にエンジンの方へ引っ張られ,過給圧は負圧となってしまいます(ブースト計だとマイナスとなる。)。
負圧となった過給圧が正圧(ブースト計だとプラス)になり,さらに十分に加圧されるまでは,一定の時間を要することとなり,この時間が,いわゆる加速できない「間=ターボラグ」となり,結果として,パワーダウンやレスポンスの悪化と感じられることとなります。
ハイレスポンスブローオフバルブに交換した場合
弊社のハイレスポンスブローオフバルブでは,ブローオフバルブの取付位置をタービンとインタークーラーの間に変更することで,アクセルオフによりスロットルバルブが閉じられた場合に,余剰空気をインタークーラーの前から排出し,常にインタークーラー内を空気で充填した状態とします。
この状態から,再加速した場合,純正の状態より多くの空気をインタークーラーで保持しているため,エンジンの方へ空気が引っ張られる時間を短縮し,素早く押し込むことができます。
これにより,純正と比較して短時間で過給圧を負圧から正圧,そして加圧状態(過給状態)へすることが可能となり,パワーダウンやレスポンス悪化の最大の問題点であった「間=ターボラグ」が短縮され,結果としてパワーアップやレスポンスの向上につながります。
(3)純正同様の「大気循環型」を採用
純正と同様の「大気循環型」であり,粉塵・ゴミ等の混入防止のみならず,ブローバイガスを大気へ放出しないため車検対応となっております。
また,「大気解放型」の装着で予想される吸入空気量の変化(エアフローメーターで測定した空気をブローオフバルブから大気へ放出することにより,吸入空気量が減少する。)による空気と燃料の混合比のずれを防ぎ,エンジンの安定的な稼働を実現します。
本製品の優位性(ポイントの比較)
弊社と他社の機能について,比較すると下表のようになります。
|
弊社(大気循環型) |
他社(大気循環型) |
他社(大気解放型) |
純正(大気循環型) |
ブースト圧の保持 |
高い |
高い |
普通 |
低い |
取付位置の変更 |
あり |
なし |
なし |
なし |
異物の混入リスク |
なし |
なし |
あり |
なし |
エアフロー変化 |
なし |
なし |
あり |
なし |
車検対応 |
可 |
可 |
不可 |
可 |
試作品協力者の声(GRB spec.c)
ハイレスポンスブローオフバルブですが,交換前後で確かに差を感じられました。
特にアクセルレスポンスが向上しました。さらにブーストの立ち上がりが早くなりました。
また,再加速時におけるアクセルオフからオンとした際に,従来だと4〜6速時には,加速が鈍く,場合によっては,1段ギアを落とさないといけなかったのですが,このハイレスポンスブローオフバルブの装着により,ギアを落とさず加速できるようになりました。
ちなみに,エアクリーナーを純正から解放型(キノコ型といわれるもの)に変えている場合は,純正のブローオフバルブでは,4〜6千回転あたりで吸入した空気が「シュー」といって放出されていましたが,交換後は,この空気漏れはほとんどしなくなり,パワーアップ&レスポンスの向上が図られたと思います。
純正との比較
排出箇所の違い


インタークーラー及びブローオフバルブ本体の説明

1 純正の配管からオリジナルの配管に変更し,ブローオフバルブ本体への排出口を追加した。
※ 純正の配管は引取交換となりますので,御了承願います。
2 ブローオフバルブ本体は「サード社」を使い,オリジナルセッティングを施している。
※ ブローオフバルブ本体はインタークーラーの裏側に移設となり,通常の目視では見えなくなります。

配管の様子




※ 写真の配管は,赤と青になっていますが,実際の取付の際は色が異なる場合があります。